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法人税と消費税の中間申告書の提出について(提出しなかった場合)

先日とあるクライアント様の新人担当者さんから

「うちの会社、以前から法人税も消費税も予定納付しているだけで、中間申告書を提出していないようなのですが大丈夫なのでしょうか?」

と質問を受け、そのような疑問をもたれるのももっともだな、ということで記事を書きます。

業績が前期に比べて大幅に下がっている場合、仮決算を行い中間申告を行うことで、税金の支払いが前倒しになることを防ぎますが、その場合は当然中間申告書の提出は必要です。ここではそのケースを割愛し、仮決算を行わない場合について記事を書きます。


法人税法上の法的根拠


法人税法144条の5で下記のように定められております。

中間申告書を提出すべき外国法人である普通法人がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかった場合には、その普通法人については、その提出期限において、税務署長に対し、次の各号に掲げる普通法人の区分に応じ当該各号に定める事項を記載した中間申告書の提出があったものとみなして、この法律の規定を適用する。
一  恒久的施設を有する外国法人である普通法人 第百四十四条の三第一項各号(中間申告)に掲げる事項
二  恒久的施設を有しない外国法人である普通法人 第百四十四条の三第二項各号に掲げる事項

つまり、中間申告書を提出しなかった場合、税務署の方から事前に納付書と一緒に送った内容の中間申告書の提出があったものとみなします、ということですね。

つきましては、届いた納付書で期限内に納付していれば、それで足りることとなります。

 


消費税法上の法的根拠


消費税法第44条で下記のように定められております。

中間申告書を提出すべき事業者がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかった場合(第四十二条第十一項の規定の適用を受ける場合を除く。)には、その事業者については、その提出期限において、税務署長に同条第一項各号、第四項各号又は第六項各号に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があったものとみなす。

これも上記の法人税同様、中間申告書を提出しなかった場合は、税務署の方から事前に送った内容の中間申告書の提出があったものとみなす、ということです。

よって、消費税の中間納付についても届いた納付書で期限内に納付していれば、それで足りることとなります。

 


仮決算によらない場合、中間申告書を提出すべきか否か


任意ととらえて構わないです。

ただ、法人税においては東京都以外の全ての自治体、市区町村においても上記と同様の「提出があったものとみなす」条例があるのか、私は確認しておりません。

今まで「その条例がないために、どうしても中間申告書の提出が必要だ」という自治体をみたことがないのですが念のため、東京都以外では確認が必要で断言をひかえます。

仮決算でなければ手間も少ないのと、いずれにせよクライアント様の方で納付が完了しているか、金額が正しいか期限前に確認するので、その作業の一環として申告ソフトに入れてしまって電子送信しているところもあります。クライアント様の方でもまちまちで、従前の扱いを引き継いでいるのが現状です。

中間納付 予定納付 中間申告

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