COMSAのトークンセール直前 当日の取引考察
2017/10/03
いよいよ10月2日(月)14時にCOMSAトークンセールが始まります。
COMSAトークンセールについては、以前COMSAトークンセール事前受付の記事でとりあげておりますので、今回はトークンセール直前期の考察です。
COMSAトークンの価格と10月2日(月)当日の取引
株式ではブックビルディングや予想を専門としている機関投資家の存在で事前のアタリがつくのですが、仮想通貨市場においてはそのようなものがありません。よって、残念ながらCOMSAトークンに、いくらくらいの値がつくのか予想がつきません。株式のように参加者が多くいるわけではなく、大口の注文や思惑によって値が飛ぶ状況もあるのではないでしょうか。
また、後述しますが、株式発行の際にかかるような金融商品取引法の規制は、COMSAの売り出しにおいて該当しませんので、COMSAの発行主体であるテックビューロ株式会社を信頼して~という部分もあります。最近あった事例ではVALUが思い出されますが、金融商品取引法の規制の無い状況では発行主体、大口、情報を得られる関係者、それぞれやりたい放題やろうと思えばできる状況です。
仮想通貨においても、仕様変更の公式プレスリリース前に値動きするのが散見されます(というより最早それが普通な状態)。Byteballのエアドロップ率が20%から10%に変更があった際の記事でも書きましたが、この場合などは明らかにその状態です。今回のCOMSAトークンにおいても、金融商品取引法の規制下ならインサイダーにあたるような早耳情報を得ている大口がいないとは言い切れません。
というわけで、10月2日(月)に口座を持ってPC前にいるなら、長い目でみれば十分すぎるほど先発組なので、長い目でみて当日は焦らず様子を見ながらでも良いのではないかと考えています。当日中の取引だけで大きな利益を得られる人も多く出てくると思いますが、やはりそれなりのリスクがありそうです。
事実、初日早々に出たリスク・不安材料として、campfireが急遽COMSAのICO案件から抜けた事案があります。当該事案の起こった理由として挙げられている噂の一つに、法的な制限と自主的な制限において、COMSA主導しているテックビューロ―社とcampfire間で意見(目論見)の相違があった、との事があります。
具体的には、株式のIPO時には売り抜け防止の制限として、一定期間売り抜けを制限するロックアップ期間があるのですが、ICOにおいては金融商品取引法上、そのような制限がありません。そこで、テックビューロ―社がロックアップ期間を自主規制として提言しているのに対して、campfireが「それでは自分たちが損失を負う可能性もある」ということでICOを中止した、という事が噂でささやかれています。
COMSAトークンを買うにあたっての決済手段
そもそもですが、COMSAトークンを買うにはビットコイン、イーサリアム、ネム、Zaifトークン、のいずれかで買うことになります。そこで「どの通貨で買えば得なのか?」という疑問がわいてきます。
それに対しては、あくまで推測ではありますが、以前告知されたCOMSAプレセールの告知中の特典付与の条件説明部分で、「いずれの決済手段にしても日本円換算●●円で~」という基準であったこと、日本ネイティブのトークンであること、発行主体が国内企業であること、などから、どの通貨を使ってCOMSAトークンを買うにしても日本円にしたら同じになるのではないかと考えられます。
よって、ビットコイン、イーサリアム、ネム、Zaifトークン、のいずれかを日本円で買って、それらをつかってすぐにCOMSAを買う場合は、どの決済手段でも(日本円ベースで)損得はないのではないでしょうか。
とりあえずZAIF口座での取引になるため、急がずともZAIF口座を開いておけばOKです。
決済手段となる各通貨の値動き
ここで参考までにZAIF口座で買えるビットコイン、ネム、Zaifトークンの値動きをみてみましょう。
3番目のチャートでわかるように、COMSAのプレスリリース後にZaifトークンがかなり上がっていますね。また、その日はネムも上昇しました。その点を考えた場合、過去にZaifトークンを買って10月2日まで保有していた場合、他の通貨を使ったCOMSA購入決済手段に比べて得はあるかもしれません。
仮想通貨市場と金融商品取引法の規制についての考察
冒頭に金融商品取引法の規制について触れましたが、今回のCOMSAはもちろん、仮想通貨市場は金融商品取引法の規制がかかっていません。
金融商品取引法の規制の中でも、インサイダー情報に関する条項、発行者自ら行う取引の規制に関する条項、追加募集(追加発行)に関する条項、等が市場価格・取引の公正性担保に大きく貢献しており、市場を支えています。
よって、それらの規制を受けていない仮想通貨市場は、性善説に立って成り立っているといえます。
ここで、仮想通貨市場において金融商品取引法の規制がないということは、例えばですが以下のようなことが起こりえます。
今回のCOMSAの場合COMSAプロジェクトの詳細を一般発表前に知っていれば、決済手段として使われるZaifトークンが値上がりするのは目に見えている以上、COMSAプロジェクト発表前にZaifトークンを買っておいて、上がったところで売り抜けることができます。実際、上記のZaifトークンのチャートを見ると、その疑いを持ちたくなる部分もあります。しかし、この市場にはインサイダー規制がないので、監視委員会の調査対象ではなく、法で罰せられることはありません。
また、このようなことは無いと思いますが、テックビューロ自身、または関係者が自ら売買を行うことで値を動かして、有利な場所で売り抜けることもできます。
VALUの場合、残念ながら懸念されている上記の事柄がそのまま起こってしまっているのですが、いずれ仮想通貨市場においても金融商品取引法の規制が入るべきではないでしょうか。
そうしなければ、詐欺的な案件が出てきて健全な市場が育たないため、市場関係者が損失を被る事は勿論、仮想通貨によってもたらされる社会の経済的な便益も得られなくなります。折角仮想通貨が決済手段として注目されているのに、仮想通貨そのものの価値が不透明であると世間で印象付けられ、利用されなくなってしまうのは社会の損失であると考えられます。
最後に
COMSAトークンが10月2日(月)の14時に売り出されます。日本人で仮想通貨を持っている人にとってCOMSAは期待が大きく、日本初の大型案件です。しかしながら、あくまでCOMSAそのものの利用実態未知の領域で、本質的な価値は見えていません。
また、金融商品取引法の規制がかかっていない以上、取引は注意が必要です。以前記載したCOMSAトークンセール事前受付の記事で準備をしておき、当日から約1か月の受付期間は様子を見ながら購入でも十分ではないでしょうか。
激しい値動きになると思われますので、リスクをとって大きく取引することも可能ですが、市場参加者全員が情報を公平に持っているとは言い切れず、もし情報を持っている大口の動きがあった場合に注意が必要です。私見としては期待が勝っているので、お金を捨てるくらいの気持ちで買う予定です。