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納税地の変更 と 納税地の異動 の違いとは?

今回は税務で届出関係書類についてです。

クライアント様から下記のような質問があり、確かに判断つき難いなぁと思ったので記事にします。

【質問事項】

事務所が移転したため、法人税・消費税の申告・納税地が変更になります。そこで、異動届を税務署・都税事務所に提出しようとしているのですが「納税地の変更」と「納税地の異動」のどちらに該当するのでしょうか?また、それらの違いとは何なのでしょうか?

納税地の変更とは

納税地の変更とは

納税地を

①「住所地」 から 「居所地」 にする

②「住所地」又は「居所地」 から 「事業所等の所在地」 にする

③「居所地」又は「事業所等の所在地」 から 「住所地」 にする

といった、上記①~③のパターンにあたります。

 

ここでそれぞれの意味ですが

住所地とは、生活(事業所の場合は事業)の本拠がある場所で、客観的事実により判定されます。

居所地とは、相当期間継続して居住している場所で、住所を持っていない人でも居所地は認められます。

事業所等の所在地とは、読んで字のごとくですが事業所のある場所で、法人さんですと通常は、事業所等の所在地=住所地=納税地になります。

一方、個人の方ですと住所地と事業所等の所在地が異なる場合、別個のものになります。

 

つまり、納税地の変更とは、申告納税する納税地として上記の3点の中において、いずれかから他方へ変更がある場合になります。

後述しますが「単に引っ越しで住所が変わった」という場合とは異なりますことご注意下さい。

 

納税地の異動とは

納税地の異動とは、転居・事業所の移転等によって、納税地に異動があった場合のことをいいます。

上記の「納税地の変更」と違い、変更前後で住所は異なるものの、変更前後ともに住所地である、変更前後ともに居所地である、変更前後ともに事業所等の所在地である、ということになります。

よって、法人さんの場合、移転があった場合は事業所等の所在地の変更で、納税地の異動になります。

 

給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書の提出で済む場合もある【補足】

追加としての知識なのですが、支店登記をしていない支店等が移転するにあたり、当該支店が給与支払事務所として届出してある場合(又は法定調書合計表を支店単位で提出している場合等)給与事務所等の移転届出書の提出のみ行えばよく、異動届が必要ないこともあります。

また、その際に届出書を電子送信する場合は、通常申告を行う本店の利用者識別番号ではなく、支店の利用者識別番号を使い、給与支払事務所等の移転届出書を電子送信することになりますことにご注意下さい。

 

まとめると

住所が変更した場合、上記の「納税地の変更とは」の項で書きました①~③を跨いでいる場合は「納税地の変更」になります。

一方で①~③それぞれの中での変更の場合は「納税地の異動」になります。

届出書類を提出するにあたり、混同していると税務署からお尋ねがあった場合に正確な回答ができないため、知識を整理して気を付けたいものです。

 

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